こんにちは。
今回も、いらすとやさんのかわいいイラストからイメージをして、次にどこへ行こうかと思いを馳せていただきたいと思います。
今回の場所は、国というよりも地域として考えてみてください。今回の場所は、GNHトラベル&サービスのスタッフが「また行きたい~」と思う、ロマンあふれる地域です。旅行でいきたいと思う好きな場所は各自それぞれなので、満場一致で賛同するのは意外に少ないのです。ではみなさま、頑張って想像して下さいね。それでは参りましょう~。
そこは、喜多郎さんの「絲綢之路」が良く似合う‼ もうこれで答えがわかったようなものですが、ゴダイゴさんの曲もとっても合います。そこには、世界第二の大きさを誇るタクラマカン砂漠があります。タクラマカンとは、現地の言葉で「一度そこに入ったら二度と出られない」を意味します。流動性の砂漠で迷い込んだら出られない、「死の海」として畏敬の念を持っています。しかし、1980年代からは石油や天然ガスの油田の調査や開発が始まり、今ではこの国のエネルギーを大きく支え、また砂漠公路と称された立派な道路が2本開通して、観光で訪れてもその道路をドライブすることができます。
南に崑崙山脈、中央に天山山脈、北にアルタイ山脈と東西に走る3つの山脈があり、その間にタクラマカン砂漠が横たわっています。貿易のために東西に物を運ぶために、険しい場所を避けて通る必要があり、このエリアは大きく三本のルートが発達しました。
そのうちの一つ天山南路は、玄奘三蔵が天竺(インド)へ行くときに通った道。このルートにはトルファン(吐魯番)、クチャ(庫車)などがあり、仏教東漸の上で重要な場所です。トルファンの近くの火焔山(かえんざん)は、夏は45度を超えるほど暑い場所。西遊記では、三蔵法師たちが燃え盛る焔でここを通ることができず、芭蕉扇を使えば火を消すことができると知り、悟空がその扇を手に入れるために鉄扇公主と戦ったという話があります。
仏教遺跡としてトルファン近郊にはベゼクリク千仏洞、クチャ近郊には3~8世紀にかけて造られたキジル千仏洞があります。クチャはかつては亀茲国(きじこく)と呼ばれ、仏教遺跡(スバシ故城やクムトラ千仏洞)が残り、名僧・鳩摩羅什のゆかりの地。キジル千仏洞にはラピスラズリの青を使った色彩豊かな壁画が残り、描かれた楽器から日本の正倉院との関係がわかります。
天山南路の西端の町カシュガル(喀什)から、タクラマカン砂漠の南縁に沿って敦煌までつながるルートは西域南道となり、ここはマルコ・ポーロも通ったと言われる道。このルート上で有名なのは、オアシスの町ホータン(和田)です。ホータン王国(ウテン国)として、西暦56年から約千年間に渡り存在した仏教王国で、玄奘三蔵や法顕も訪れた記録があります。
ユルンカシュ川では翡翠がとれ、ホータン玉(ぎょく)として希少価値があり、二千年以上前の古来から加工され、王族や貴族が身に着けていたとされています。また伝統的なシルクの絣の織物が有名であったり、また近郊にはマリクワット古城があります。
西域南道を敦煌方面へすすむと、ニヤ、チェルチェン、チャルクリクなどのオアシス都市を通り、米蘭遺跡があります。ここから先のタクラマカン砂漠の東に、20世紀初頭の探検家たちが命を懸けて探した楼蘭(ローラン)故城があります。21世紀の現在でも、めったなことでは楼蘭には行けませんがロマンあふれる場所。1980年には楼蘭故城で、紀元前19世紀(約3800年前)に埋葬されたミイラが発掘されました。世界で最も美しいミイラ「楼蘭の美女」と呼され、ウルムチ(烏魯木斉)にある博物館で見ることができます。
そして、これら沿道の町にはおいしものがたくさん!フルーツも糖度が高く、夏に採れるメロンの一種ハミウリは皇帝への献上品ともされていたそう。トルファンの干しブドウも有名で、毎年八月には葡萄祭が開催されます。あ、あとクルミもとっても美味しいです。羊肉の串焼きシシカバブ、窯から焼きあげるナンも香ばしくて・・・しかし、これらの品々をもこえる逸品があります。それがラグメン!!
世界最古の麺料理、ラーメンやパスタの起源とも言われています(諸説あり)。ウイグル料理の代表で色々な種類の味付けがあり、たっぷりの具材と麺をあわせて食べる汁なし麺。麺は一本でつながっています。
さて、どこの地域のことをご紹介していたか、おわかりなりましたか?
中国・新疆ウイグル自治区のシルクロードでした。ヤフシムスィズ!ウィグル(こんにちは、ウィグル)。
新疆は中国の省・自治区の中でもっとも広大な面積を誇り、日本の国土の約4.5倍の広さがあります。新疆とチベット自治区も隣り合っていますが、大きく異なる文化でこれも面白いですね。砂漠や山脈、大河により隔たれ、守られてきた場所でもあります。
私は、新疆を訪れたとき、雫一滴も無駄にせずに丁寧に手を洗う姿を見て、いかに水を大事にして生きてきたのかを知りました。砂漠が広がり乾燥地帯の中、途中のオアシスの町を見かけると自然の恵みと、人々の逞しさが沁みてきます。ポプラ並木の中、ロバ車でバザールに向かう光景もシルクロードの象徴的なシーン。もちろん、砂漠とラクダも絵になりますが、ロバ車とおじいさんの日常の風景も忘れ難いです。
踊りや歌を楽しむことが大好きで、昔から旅人を受け入れ、過酷な自然環境の中で長寿を誇る人たち。政治的な問題を抱え、別の国やエリアで暮らす人も多く苦労も多いでしょうが、どこにいても誇り高い人たちだと感じます。
そして、地名を口に出して読んでみると、その響きがとっても良いのです。カシュガル、ロプノール、ローラン、カラマイ、ベゼクリク…どれもステキな響きに感じます。記事タイトルの「池の中の黄金」はウィグルに伝わる昔話のひとつで、話の内容も面白いのですが、実際に20世紀初頭の探検家たちが砂漠の中に遺跡を探し求めたものでもあるなぁと思い、選びました。
この「池の中の黄金」のお話は、1990年初版、シルクロードの民話・タリム盆地/小澤俊夫編/ぎょうせいより出版されています。
やっぱり新疆シルクロードには、ものすご~く、ロマンがあるのでした。
キトト
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