こんばんは。 東京では桜が満開になりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回は昨日、木曜日3月26日の東ブータンの様子をご紹介します。先に、ご承知おきいただきたいことをお知らせしますね。
●ブータン旅行について:2020年3月6日より外国人観光客の入国制限が開始され、現時点では入国ができません。制限の解除等の情報が入り次第お知らせします。 ●ブータンでは3月27日現在、3名に新型コロナウィルス感染者数が出ました。うち1名がブータン人では初の感染者(3月26日に陽性反応)、残り2名の観光客は無事に帰国しています。 ●3月23日からインド・ブータン間の陸路国境は閉鎖され、またブータンへの航空便も大幅に減便・運休等が生じています。 ●現時点ですぐ旅行ができずとも現在の様子をご紹介するのは、今回のような事態にどのような対応がなされているのか、またできる限り現地情報をお伝えすることも、今後みなさまがご旅行をされる際に大事だと考えているからです。
この動画は、東ブータンで最も大きな町タシガンの様子で2020年3月26日に撮影されたものです。
タシガンの町からブータン・インド国境までは約180km。3月23日よりインドとブータンの間の各陸路入国のポイントは閉じられていますが、ブータン人が帰国の際に困ることがないよう政府は支援をしています。また、インドからの必要な物資が供給されることも国民にアナウンスがされているためか、買い占めなどの大きな混乱は生じていないそうです。
動画を見てみると、通常は人通りがあり、お店だけでなく路地で野菜や果物を売っているのですが、いつもよりずっと人は少ないですね。ブータン国内では、学校もまだ休校が続いています。田舎の穏やかな風景に見えますが、ここはもともとタシガンの町の繁華街なんですよ~。東ブータンでは最も大きな町です。普段との違いが分かりにくいかもしれませんが・・・(笑)タシガンの町は平地が少ないのでメーンストリートもこのように坂道になっています。でも、元気に犬たちが吠えている声は聞こえてきますね。
この動画は日本語ガイドのドルジさんが撮影をしてくれました。ドルジさんの暮らす首都ティンプーから、ここタシガンまでは公共バスで移動すると最低でも丸二日間かかります。タシガンから彼の生まれ故郷までは、更にもう一日はかかるので「タシガンから村まで帰ったの?」と聞いてみると・・・
”僕の村までは帰っていません。もし、村に帰れば自分がCOVID19の保菌者であったら村の人に移してしまう可能性があるし、14日間の隔離もされなければいけなくなってしまう。村に帰るまでに法律で定められたチェックポイントがあるわけではないし、帰ろうと思えばいける。だけど各地の村長さんや警察が見回りをし、感染症を広めない対策をしています。それに今、村に帰ることが正しい判断だと思う人は、僕だけでなく他にも誰もいません”
ブータンでもしっかりこのウィルスの情報が伝わり、現状が把握されているんですね!
3月22日に国王陛下が国民に向けて、大切な事項を伝えていらっしゃたのですが、その中で『私たちは高齢者を敬い、まもらなければいけません。安全で清潔な環境を確保する必要があります』とおっしゃっていたのが印象に残りました。そして今回ドルジさんのレポートを聞き、このメッセージはきちんと行動と結びついて国民に伝わっているんだと、再確認しました。
全世界で同じような状況ですが、ブータンでは毎日どのように過ごしているかを聞いてみました。
”仕事もないから、そんなにお金もない、でも、時間だけはたくさんある。だから友達と話したり、本を読んだり、たまにテレビを見たり、散歩をしています”
そう教えてくれました。そして、雪が降った峠トゥムシン・ラ(約3,750メートル)をこえて首都に戻ってくる途中だそうです。ブータン国内では、ドルジさんの村のように国道からずっと離れたエリアにあり病院などへのアクセスが悪い場所では自主的に立ち入りを避けている状況ですが、外出禁止にはなっていません。3月6日から外国人観光客の入国を制限し、その日から国の渡航者を管理し、また諸国からブータンへ帰国する自国民を二週間は指定施設に隔離をしている状況ですので、水際対策およびその後の対応がコントロール下におかれているようです。
ドルジさん、気を付けてドライブをしてくださいね!
以上、タシガンからのレポートでした。
キトト
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