こんにちは。
今週の12月17日は112回目のブータン・ナショナルデーの祝日でした。現王家である初代の王様が1907年のこの日に王位に就いた日であり、国民の日として各地で人々が集いお祝いをします。
国王様は国民にむけて演説をされますが、そのお言葉をブータンの人々は心待ちにしています。今回は、若者に向けて新たな年間奉仕プログラムを発表、功労者を表彰されましたが、なんといってもトップニュースは王妃様のご懐妊のご報告!大変喜ばしいお知らせでしたね。
さて、今日はその現王家の現代史と関係がある、首都ティンプー郊外のドチュラ峠で行われるドゥックワンギャル・フェスティバルをご紹介します。
ブータンの現地スタッフから「ぜひ、このお祭りを紹介してほしい!」という熱いメッセージと写真が届きました。
この祭がはじまったのは2011年と比較的新しく、ブータンでは珍しく毎年西暦の12月13日に開催されます。
このお祭りの発案者は、第四代国王陛下の王妃アジ・ドルジ・ウォンモ・ウォンチュック妃。
アジは2004年にはドチュラ峠に108のストゥーパ(仏塔)を建設され、2008年にはドゥック・ワンギャル寺院を建立されました。
この仏塔は2003年にインドとの国境であるブータン南部で起こった紛争の際に戦ったブータン遠征軍の記念碑であり、寺院の壁画には歴代の王様達の歴史が描かれています。
そしてこのドゥックワンギャル・フェスティバルはブータン軍と歴代の王達の歴史を伝えることをテーマに始まりました。
ブータンのツェチュ祭などでは、踊り手は僧侶が行うことがほとんどですが、このお祭では演者はロイヤルブータン軍の軍人によるものです。
私も以前にこのお祭りを見に行きましたが通常の仮面舞踊だけでなく、王室の歴史や宗教偉人達の物語、現代のブータン軍の働きなども盛り込まれた他のお祭りとは少し趣が異なるプログラム編成で新鮮でした。
その他にももちろん通常の伝統的な踊りなどあり、すべてでなんと26もの演目ががあります。
印象的だったのは、偉大な仏教修行者または吟遊詩人としても知られるカギュ派の聖人ミラレパの偉業のストーリー。
岩の羅刹女や五姉妹のダーキニーの物語を丁寧に再現していました。上半身は裸で白衣をまとい、耳に手をあてる仕草で描かれていることが多いです。このお祭りでは、このミラレパが・・・
飛ぶ!!!
ミラレパは綿の衣を一枚まとっただけの姿で生涯を過ごしたとされていますが、
標高3150メートルにあるドチュラ峠の上で、12月中旬にこれを再現・演じるのは過酷だなぁ。。と思ってしまいました。
このミラレパのストーリーには力が入っていて約1時間以上続くんですよ。寒い(笑)
以上、現地スタッフ一押しのドゥックワンギャル・フェスティバルのご紹介でした。
皆さま、来年の12月13日。ブータンでこのお祭りを見てみませんか??
キトト
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